身体障害者更生施設
どんな施設か

更生施設は、たとえ身体に障害があったとしても、自分らしく、可能な限り社会的に自立した生活ができるよう(更生)、必要な治療や指導、さらに訓練を行う施設である。
更生施設には、「肢体不自由者更生施設」、「重度身体障害者更生援護施設」、「視覚障害者更生施設」、「聴覚・言語障害者更生施設」、「内部障害者更生施設」の五種類が設けられ、それぞれの障害に応じて、建物や内部の設備に工夫がなされており、専門の職員が働いている。
身体障害者更生施設の事業内容
更生施設の最も基本的な仕事は、入所者の日常生活における援助であり、およそ次のことを行っている。
(1)医学的なリハビリテーション…、運動・作業療法による手足の麻痔の回復や、言語療法による失語症の回復、
あるいは車椅子や補聴器等の補助具を用いて障害そのものを軽くしたり、障害による日常生活の不便を軽減するもの。
(2)心理的なリハビリテーション…、自分の身体の障害やそれによる不自由さをありのままに受け入れ、絶望することなく、積極的に生きていく姿勢をもてるようにするためのもの。
(3)身辺自立に関する訓練…、洗面、食事、排泄、入浴、衣服の着脱、調理、掃除、洗濯、金銭管理などの日常生活を維持するためのもの。
(4)職業的自立に関する訓練…、職業を選択する上での相談・指導や、必要とされる技能技術の習得、またはそれを向上させるためのもの。
また、「ショートステイ事業」を行っている施設もある。
これは、家庭で身体障害者を介護している家族が、病気・出産・事故・冠婚葬祭等の理由によって、家庭で介護することが難しくなった場合に、施設に一時的に入所させること
によりその家庭を援助するもので、一九七八年度から始められた。
また、更生施設を母体に、他の機関・施設を組み合わせて「リハビリテーションセンター」と称し、
機能回復訓練から社会的に自立するまでの一貫した援助サービスを展開しているところもある。
特に一九九三年度から措置権を移譲された市町村において設置が盛んである。
身体障害者更生施設の入所および入所者
更生施設の入所対象者は、原則として18歳以上(必要により15歳以上)で、身体障害者手帳を持っている人である。
もちろん、各施設ごとの入所の条件には、障害の種別による制限があるが、住んでいる地域の近辺に適当な施設がないなどで、特別の承認を受けた場合には、障害の種別の異なる施設に入所することもできる。
更生施設への入所を希望する人(家庭)は、住んでいる地域の市町村の窓口へ申し出ることになっており、市の場合は、直接福祉事務所が取り扱う場合が多い。
福祉事務所では、その後、身体障害者更生相談所の判定結果も含めて、入所が必要と認められた場合は、該当する施設へ連絡し、必要書類等を提出する。
施設は、欠員状況や本人の状況等を検討し、受け入れの可否を福祉事務所へ連絡する。
更生施設の入所定員は30名以上、ただし、重度身体障害者更生援護施設は50名以上とされている。
各施設によって違いはあるが、更生施設では、およそ1〜5年の限られた期間、10代後半から60代まで幅広い年齢層の人が一緒に生活している。
身体障害者更生施設の職員と仕事
更生施設の職員の職種は多様であり、各施設種別によって異なるが、およそ次のような職員が働いている。
(1)生活指導員、寮母、職業指導員…、日常生活において直接入所者の世話や指導にあたる人たち。
介護福祉士は、主に「寮母」として働き、入所者の生活を支える中心的な存在となっている。
(2)ケースワーカー、心理判定員、職能判定員…、障害者の生活能力、職業能力の判定や、それにもとづいて入所者のリハビリテーション計画を立てたり、各種の相談に応じる。
(3)医師(嘱託可)、看護婦または保健婦、理学療法士・作業療法士・あん摩マッサージ指圧師・聴能訓練士等。
(4)その他(施設長、事務職員、栄養士・調理員等)。
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