身体障害者授産施設
どんな施設か

授産施設とは、働く意欲があるかまたは働くことができる可能轡性がありながら、身体に障害があることによって、一般の職場等で雇用される機会に恵まれない人たち、
あるいはそのために生活に困っている人たちにとって、働く場であるとともに、将来は就職し、施設を出て社会的に自立した生活ができるよう、必要な訓練を行う施設である。
授産施設には、障害の程度や障害の状況を考慮して「身体障害者授産施設」、「重度身体障害者授産施設」、「身体障害者適所施設」が設けられている。
「重度身体障害者授産施設」は、作業能力がありながら、重度の身体障害者であるために特別な設備と職員を準備しなければ就業することが極めて困難な人が入所し、
施設内で働く場を与えられ、自活することを目的とする施設である。
「身体障害者適所施設」は、交通機関の整備や障害者の意識の変化等により、適所で授産施設を利用したい希望者が増加してきたため、一九七九年度から設置が認められたものであり、今後さらに増加が見込まれる。
その他、授産施設では、一九九〇年度から身体障害者が自宅から施設に通える可能性を広げ、住み慣れた地域社会で自立して社会参加できるよう、授産施設を設置することが困難な地域において「分場」を設置することが認められた。
これは、本体となる授産施設の施設長の管理のもとに一体的な施設運営が行われるもので、複数設置することもできる。
利用定員は、一か所あたり、5名以上20名未満とし、指導員を一名常駐させることになっている。
さらに、一九九三年度からは、身体障害者および精神薄弱者の授産施設に対して、障害の種別に関係なく、一定の範囲内で相互に利用できる制度が認められた(混合利用制度)。
これは、障害者に地域で働く場を確保し、自立を促すとともに、授産施設の効果的運営を図ることを目的とするものである。
身体障害者授産施設の事業内容
授産施設では、入所者が必要な技能を身につけて就職できるように、一人ひとりの能力や関心に応じて「作業指導」が行われている。
これは、入所者が自分の関心のある作業をすることによって、自発的に手足の動きをよくするなど、残っている力を十分に引き出させるとともに、
働くことの喜びを体で感じることで、就労への意欲を高めようとするものである。
作業の種目としては、農作業(野菜栽培、畜産等)・木工作業・窯工作業(陶芸等)・繊維加工(手芸、織物等)・金属加工(機械部品の組立て等)・サービス業(クリーニング等)等が行われている。
また、授産施設では、作業によって得られる収入には、必要経費(光熱水費、原材料費。ただし職員の人件費等は除く)を差し引いた収益を、作業に従事した入所者に、工賃として、作業能力に応じて支払うことになっており、この点は、更生施設と異なるところである。
工賃は、一ヶ月一万円前後から、五、六万円と、施設によって大きく異なっている。
また、「ショートステイ事業」を行っている施設もある。
これは、家庭で身体障害者を介護している家族が、病気・出産・事故・冠婚葬祭等の理由によって、家庭で介護することが難しくなった場合に、施設に一時的に入所させることによりその家庭を援助するもので、一九七八年度から始められた。
身体障害者授産施設の入所および入所者
授産施設の入所対象者は、原則として18歳以上(必要により15歳以上)で、身体障害者手帳を持ち、
基本的には、洗面・食事・排泄・入浴・衣服の着脱等、日常生活における身辺自立が確立している人である。
授産施設への入所を希望する人(家庭)は、住んでいる地域の市町村の窓口へ申し出ることになっており、市の場合は、直接福祉事務所が取り扱う場合が多い。
福祉事務所では、その後、身体障害者更生相談所の判定結果も含めて、入所が必要と認めた場合は、該当する施設へ連絡し、必要書類等を提出する。
施設は、欠員状況や本人の状況等を検討し、受け入れの可否を福祉事務所へ連絡する。
入所定員は、「身体障害者授産施設」30名以上、「重度身体障害者授産施設」50名以上、「身体障害者適所授産施設」20名以上である。
入所期間は、職業の種類や入所者の経歴等を考えて検討されるが、最終的には、一般の職場等に就職もしくは自営等で自活することを目的としているので一定ではない。
とりわけ、「重度身体障害者授産施設」の入所者においては、進行性筋ジストロフィー、リューマチ、骨形成不一般の職場等で就労することが困難なため、施設内就労の延長といった慢性化現象がみられる。
身体障害者授産施設で働く職員と仕事
授産施設には次のような職員が働いている。
(1)生活指導員、職業指導員、寮母(重度のみ)…、日常生活において直接入所者の世話や指導にあたる。
介護福祉士は、主に「寮母」として働き、入所者の生活を支える中心的な存在となっている。
(2)医師(嘱託可)、看護婦または保健婦。
(3)その他(施設長、事務職員、栄養士・調理員等)。
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