高齢者は頭が悪い?
知識や理解力は維持される
「老害」「がんこ爺」「老いては子に従え」……、などの言葉を思い浮かべると、老人は体力だけでなく頭脳も悪くなる、と信じられている。
まれに歳をとっても、かくしゃくとして頭脳明噺な人物もいるが、そんな人物は「怪物」「妖怪」「凡人とは違う偉い人」であって、例外と思われている。
ところが、である。
病気、例えば痴呆症になってしまえばボケるのは当然だが、内外の研究によると、どうも年齢と頭脳は、そう単純なものではないらしい。
『平成九年版厚生白書』に、次のようなことが書かれてある。
(1)知能と年齢の関係について米国の研究では、「知能のうち流動性知能(生育・教育環境の影響を比較的受けない知能)は、育成年期以降漸減するのに対し、
結晶性知能(言語や社会的知識に代表されるもので、学習経験の影響を受けやすい知能)は、高齢期になっても維持される」
(2)日本でも研究され、動作性IQ(動作の俊敏性や正確さ)は低下するが、言語性IQ(知識や理解力)は低下しない、という調査結果がある。
(3)一般に、老化によって理解力や思考能力が低下していると思われる場合も、「痴呆症などの神経系疾患が原因」や「頭脳の不使用が原因」が多い。
いろいろな調査によれば、老人になれば運動能力は衰えるが、知能の方は明噺を維持できるらしい。
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